【朝読書】もし自分が空腹で倒れそうでも食べ物を盗まずにいられるのか?
朝晩は冷える季節となりました。
朝、出勤前に気温が冷えるからといって長袖で出勤したら昼間は暑くて後悔するというのをかれこれ中学生の頃から繰り返していて、そんな自分が憎くて愛おしい季節です。
今朝もコーヒー片手に朝読書。
今週読んでいる一冊はこちら
中村文則『掏摸』
金持ちの財布しか狙わない天才スリ師。1日に簡単に何十万円をスル彼が、「最悪」な男によって人生を操られ始める。不遇な環境から万引きをさせられる少年と天才スリ師の生き方から「人生を操られる」とはどういうことかを考えさせられる。大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラー作品。
自分はもちろんスリなんてやっていませんし、やろうとも思いません。スリなんてしてる人には怒りすら感じます。
しかしながら本書を読んで
スリをしなければならない環境に自分が置かれていたら・・・なんてことを考えました。
もし自分が一文なしで食べるものもない
今にも倒れそうな状態であったなら
「スリなんてしてはいけない」
という考えに
落ち着いてくれるのでしょうか。
スリをするのはいけない
と思えるのは自分が満たされている環境にあるからであって、自分が善良な市民であるからではないように思いました。
本書の主題の一つ
「人生を操られる」ということ
私たちも周りの環境によって
大いに人生を操られているのではないでしょうか。