電車が駅まで着いた
いつもなら
電車酔いでふらつきながらも
駅前でタクシーを拾い
1500円を払って
自宅まで帰る
この日は
天気が良い雨上がりの空だった
山を見れば
冬とは違う緑色が一面を覆い
稜線がクッキリと
青い空との境目を指していた
「今日は歩いて帰ろう」
タクシー乗り場を脇に
帰路に足を進めた
たまには歩くのもいい
普段は気付かないことに
気付かせてくれる
田植えも終わり
稲が緑を湛えて整列していること
歩道橋を歩くのは
なんだかワクワクすること
横断歩道で
渡るタイミングを待っていたら
止まってくれる車が案外多いこと
夕方のニュースなんぞ見ていたら
世の中は私利私欲でまみれた
薄汚いものだと錯覚させられるが
案外
世の中捨てたものではない
ニュースなんかにはならない
優しさや人情はあふれているものだ
40分の散歩を経て
玄関のドアを開ける
この40分の散歩で得たものは
心の安らぎ
運動後の爽快感
そして
タクシー代1500円・・・!
この「1500円」
は何なのか?
1500円儲けた!
というのは
実際には1500円もらった訳ではないし・・・
でも
・ 歩いて帰って財布の中身は変わらない
・ タクシー代1500円を払って、翌日1時間残業して1500円稼ぐ
この2つは収支でいえば同じ?
視点を変えると
1500円節約すれば、1時間働かなくても済む
私たちは
贅沢するために
必要十分以上の労働をしているんだ
そんなことを考えながら
40分の散歩の汗をシャワーで落とすのだった。
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