2017年ソフトバンクとみずほ銀行によって設立されたFinTech企業のJ.Score(ジェイスコア)が日本で初めて信用スコアのサービスの提供を開始ました。これを皮切りにLINE、Yahoo!、Docomoなどが信用スコアサービスの参入を表明、19年3月にはLINEとメルカリが連携を発表しており、2019年は信用スコア元年となるかもしれません。
信用スコアとは一体何なのでしょうか。
信用スコアとは
信用スコア(AIスコア)とは、個人が入力した情報を元にその人の信用力と可能性を数値化したものです。例えば職業や年収、性格、ライフスタイルなどを入力することでAIなどが公正にその人の信用を数値化します。
海外で広がる信用スコア
信用スコアは実は海外では既に利用されているサービスです。
🇨🇳 中国では信用スコアによってサービスを、うけることができるアリババ系の芝麻信用(ジーマシンヨウ)などが広がっている。
🇺🇸 アメリカではクレジットカードの返済履歴から個人の信用度が計られ、その信用度を企業の人事採用や賃貸物件の契約の際に役立てている。
このように「信用」を数値化して活用しようという流れは世界で広がっており、日本もこの流れに少しずつ乗ってきています。
日本で利用できる信用スコア
2019年現在サービス開始しているのが、前述した「J.Score」です。J.Scoreはみずほ銀行とソフトバンクが設立したFinTech企業です。
使い方は簡単で、J.Scoreのアプリをダウンロードして職業や年収、お金に関する考え方などを入力すると信用スコアが表示されます。
筆者(28歳)の信用スコアは634でした(まどまだ低い…平均がどれくらいかは分からないけど)。詳しい質問に答えたり、運動・学習・睡眠・支出管理を継続したりしてもスコアが上がっていきます。
(2019.6追記)
2019.6にLINEもLINEスコアのサービスを開始しました。LINEスコアも同様に簡単な質問に答えるだけで大丈夫でした。
信用スコアをどう活用できるのか
J.Scoreでは、現在信用スコアを2つに活用することができます。
① レンディング
信用スコアに応じて貸付限度額、貸付利率などが変動します。これを見ることで自分が大体どの程度貸付してもらえるのかが分かります。
② リワード
信用スコアに応じた割引や特典を受けることができるようになっています。2019.4現在ではソフトバンク、Hulu(動画配信)、さとふる(ふるさと納税)、careco(三井系のカーシェアリング)などなどです。スコアが上がれば受けられる特典も増えていきます。
LINEスコアでできる特典
LINEスコアではスコアに応じてLINE Pay使用時に還元されるポイントがアップします。
ポイントがアップするとなると、LINEスコアのような信用スコアを利用する方を一気に増えていくのではないでしょうか。
信用スコアが使われる社会
他にも信用スコアは今後様々なサービスを利用する際に活用できる可能性があります。これからは相手の信用度を知りたい場面が多くなってくるからです。
これまで以上に相手が信用できるのかを知る必要がある社会である
今は相手の信用度を知る必要がある場面が多くなってきています。例えば
⭐️ これまでの【会社ー個人】でのやりとりから、メルカリを代表するように【個人ー個人】でのやりとりが増えてきている。
⭐️ シェアエコノミーのように物(車や自転車など)をシェアリングする機会が増えてきている。
そこで必要なのが「信用」です。これまでは信用できる会社のサービスを受ければよかったですが、個人間のやり取りやシェアリングでは相手が信用できるのかどうか分かりません。そこで相手の「信用度」が分かる仕組みが必要となる訳です。
正当に人を評価できる社会へ
メルカリでは相手のこれまでの「取引評価(信用度)」を見ることができ、配車サービスのUberでは運転手の評価が分かります。その信用情報を私たちは利用しながらこれらのサービスを利用しています。
メルカリで雑な出品、落札をしている人は信用度(評価)が低く表示されますし、Uberで荒い運転をしているとこれも評価が低く表示され、利用者はその人を選ばす、評価の高い人を選ぶでしょう。
このように信用スコアのように信用度を可視化することで、一生懸命に努力する人が正当に評価される時代が来ることが期待できます。
これまで人からの評価で辛い思いをしてきた人もそんな理不尽な思いをする必要がなくなる時代がやってくるかもしれません。
まとめ
これまで人の評価は人が行ってきました。そして評価する際には見た目などの第一印象や性別、時には人種などのバイアスがかかることで不当な評価をしてしまうこともあったかと思います。しかし公平な評価をし、頑張る人が正当に評価をする力を「信用を数値化する」というテクノロジーはもっています。またこれからのネット社会が円滑に運営されるツールとしても有効に活用されていくでしょう。
お金を貯めることと同じくらい、努力して「信用を貯める」ことも大切な時代になるのかもしれません。
よければ読者登録をおねがいします!